2015/08/02 | 筆界調査委員 |
2015/07/16 | 数日前、青森県から電話がありました。 |
数日前、青森県から電話がありました。 その方は、筆界特定制度でいう乙地の土地所有者でした。仮にAさんとしましょう。 Aさんは、1年ほど前に隣地の土地を測量している土地家屋調査士から境界線の立合い依頼を 受けたようです。しかし立会には応じたものの土地家屋調査士から現地で提示された境界線に 不服だったので、境界協議は不調に終わったらしい。 その後、隣地所有者はその土地家屋調査士を代理人として筆界特定の申請をし、そして最近 筆界は特定され、手続きは終結したとのことでした。 Aさんの元には、手続きが終わったとして、法務局から「特定書」と「特定図面」が、送られて きました。ところがAさんが「特定書」を読んでも内容がよくわからない。「特定図面」を 見ても座標値などが記載されているものの、結局現地のどこに筆界が特定されたのか、全く 解らない。 意味不明のAさんは、法務局に「どこを筆界として特定されたのか?」と問い合わせました。 法務局の回答は「筆界特定制度では現地には、なんらマーキングはしません。図面に記載され た座標値の現地位置をお知りになりたければ、土地家屋調査士または測量士に頼んでください」 との回答だったようです。 それを聞いてAさんは憤慨!「当事者にとって、筆界がどこに特定されたのか解らないなんて 何と言う不親切。コレは国民のための制度ではないのか」 Aさんからの電話は、こういった相談というか愚痴というか。。。 でした。 確かにこの制度は、筆界を特定しても現地に境界杭を設置する規定はありません。(筆界 特定申請の資格者代理人編のページを参照してください) ですからAさんにとっては、どこに特定されたのか不明のままなので不安でしょう。また Aさんが制度に対して不満を持つのは当然でしょう。 ただ、私が思うにこのAさんのケースで、一番良くないのは隣地の土地家屋調査士です。 この土地家屋調査士は特定後、Aさんに「法務局が特定した筆界はココです」の説明を一切 していない。 調査士であれば、「特定図面」で筆界の位置は把握できますが、測量技術のない一般の人には 無理な場合が多い。境界協議が不調に終わった経緯があるにしても、特定された筆界位置の 乙地所有者への説明は、筆界特定制度の甲地代理人としての職責の一部であると私は考えます。 |