筆界特定の申請は
筆界特定登記官が受理します。

       そして、
筆界特定登記官がこの申請案件を処理する

       スタッフとして
筆界調査委員(通常は土地家屋調査

士1名)と
法務局職員(2名程度)を指定します。

そして、このスタッフは、筆界特定の最初の仕事として、申請案件

について、具体的なタイムスケジュールなどの処理計画をたてます。

これを「進行計画」といいます。



具体的調査方法

スタッフの指定と進行計画

現況等把握調査


この制度は、土地の筆界について隣接土地所有者と認識が不一致

もしくは筆界が不明な場合にその筆界を特定するための制度です。

では、筆界特定の申請後、法務局はどのような方法によって調査や測量を行うのでしょう。

勿論、ケースはさまざまですから、一律なマニュアルで対処はできないのですが、平成17年12月に

法務省が出したこの制度の通達などをもとに、具体的な調査や測量の方法を説明します。


この制度において申請後は、申請地は

対象甲地と呼ばれ、相手方となる土地

対象乙地と呼ばれます。

対象甲地、対象乙地およびその周囲の

土地の状況を把握するため、
筆界調査

委員
法務局職員は一度現地に訪れ

ます。 

この最初に訪れる調査を「現況等把握

調査」といいます。

これは、文字通り現地の状況を把握するための調査です。対象土地やその周囲の土地に立ち入るに際し、

門扉等の鍵を開けてもらう必要もあるでしょうから、当然に事前に土地所有者や占有者に通知をします。

しかし
申請人関係人から筆界の主張を聞いたり申請にいたる事情や経緯を聞く事が目的ではありません

し、またこの調査では、通常測量機材を用いた本格的な測量も実施しません。(ただ、後日この申請の筆

界特定を進めるうえでの測量費用の見積もり額などは、このときに調査されます)

あくまでもこの調査は、申請内容を把握するために現地を調査することを目的としていますので、
申請人

関係人が不在であっても、特にこの日の調査目的に影響を与えません。

なお、土地所有者や占有者は、筆界調査委員法務局職員の立ち入りを理由なく拒むことはできません。


特定調査(立会・聴取)


この制度の条文には、筆界特定を進め

る上において
筆界調査委員は、申請人

関係人らから知ってい事実を聴取し

たり、資料の提出を求めることが明記

されています。

この「特定調査」はまさに条文に書か

れている事実の調査を意味する

ものです。



筆界調査委員は、法務局内外の資料や現況把握調査などの調査結果を踏まえた上で、申請案件の筆界につ

いて
申請人関係人らからそれぞれの筆界の主張線等を現地において聞き取ります。

また、この時点で
筆界特定登記官が実施する意見聴取を終えている場合、筆界調査委員はその内容も踏ま

えて調査を行います。

なおこの調査は、かならず
申請人関係人に立ち会う機会を与えなければならないとされています。


特定調査(測量)


筆界を具体的に特定する過程で、

ほとんどの場合測量が必要です。

申請後制度側が実施する測量も「特定調査」

と言います。

この制度の条文を読むと、
筆界調査委員

自身が測量するイメージなのですが、

実際の運用で測量は、
測量実施者

呼ばれる別の測量の技術者が

測量作業を行うケースが多くなるようです。



測量実施者
には、単独での現地立ち入り権が認められていません。 ですから、必ず筆界調査委員または、

法務局職員が、測量作業に立会います。

また、測量を伴う特定調査は、一度のみとは限りません。筆界特定制度の通達文では、最終的に特定を予定

する筆界線(推定される筆界)を現地に示して申請人関係人らから認識を確認するとの内容も記載されて

います。

私吉田の私見ですが、筆界特定の最終行為として特定された筆界に境界杭の設置は可能な限り実施すべきで

あると考えます。ですから特定を予定する筆界線を現地に示して
申請人関係人らから認識を確認するとす

る事も必要な過程と考えます。しかし特定を予定する筆界線を当事者に示すとする運用については慎重のう

えにも慎重を期さないと混乱を招くのではないかと危惧します。 

この制度において筆界特定に必要な測量費用は、
申請人が全額負担します。(関係人は一切負担しない)

この測量を伴う特定調査が行われる時点では、既に
申請人が測量費用の予納を終えていることが、必須要件

です。

意見聴取の方法


申請案件の筆界を特定するまでに、
筆界特定登記官は、予め期日と場所を定めて申請人関係人、必要

と認める場合には、参考人に意見を述べる機会を与えなくてはなりません。 

意見聴取の具体的な場所は、
筆界特定登記官が普段執務している法務局(地方法務局)もしくは、申請

案件を管轄する登記所、また場合によっては現地で行われることもあります。
筆界調査委員はこの意見

聴取に必ず出席することになっています。

この意見聴取の内容は調書を作成して筆界特定の記録として残します。


個別に行うパターン

一同に介するパターン


この意見聴取を取り仕切るのは、
筆界特定登記官

です。しかし、申請案件について現地調査等を行

ったのは
筆界調査委員ですから、実際に申請人

関係人らに発問したりするのは、主に筆界調査

委員
となるでしょう。


特定調査同様、意見聴取のパターンも、運用に任

されている部分が多いのですが、右のイラストの

ように、
申請人関係人ごと個別に意見聴取を行

うパターンが基本的といえるでしょう。 



しかし、個別に意見聴取を行った場合、イロイロ

と不都合も生じます

 ・時間がかかる

 ・
申請人関係人の意見が違う場合、繰り返し
  繰り返し意見聴取を行わなくてはならない。


そこで、左のイラストのよう関係者が一同に介し

て、場合によっては同席者間で直接質問など許す

パターンも運用上認められています。

ただ、安易にこのパターンを実施すると、混乱を

招く可能性があるでしょう。



繰り返しになりますが、筆界特定の申請のケース

はさまざまですから、一律なマニュアルで対処は

できません。特定調査や意見聴取の順番や回数も

ケースバイケースとして、処理されます。

左の順序もあくまでも、ひとつのパターンとご理

解ください。

運用面で特に
意見聴取筆界特定までに回数を重

ねるケースが多いでしょう。

現況等把握調査

意見聴取

特定調査(立会・聴取)

特定調査(測量)

筆界特定

意見聴取や調査の順序

申請

多くの注目と期待を受けて「筆界特定制度」は、

平成18年1月20日にスタートしました。

まだ、制度開始から間がないこともあり筆界を純

粋に探し出して特定する制度であるということが、

今ひとつ社会に正しく理解されていないようです。

制度の利用を考える方々にとって、このHPが少

しでもお役に立つものになるよう今後も内容の充

実に努めます。

どうぞヨロシクお願いいたします。


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